幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い
家の近くまで来ると、雨は少しずつ弱くなっていた。

蓮が傘を閉じる。


「じゃあ、また明日」

「うん。また明日」


いつものように手を振る。

蓮が自分の家へ向かって歩いていく。

私はその背中を少しだけ見送ってから、自分の家へ向かった。

玄関を開けて、靴を脱ぐ。

いつもと同じ帰宅。

いつもと同じ一日。

なのに。

今日はなぜか、帰り道のことが頭から離れなかった。

雨の音。

傘の中の距離。

隣を歩く蓮。

そして、あの言葉。

――そうだったらいいけど。

どうして、あんな言い方をしたんだろう。

考えてみても、よく分からない。

私はベッドに座りながら、窓の外を見る。

雨はもう止んでいた。

明日も学校がある。

明日も蓮に会う。

たぶん、また一緒に帰る。

それが普通で。

それが当たり前。

今までずっと、そうだったから。


「……明日も一緒に帰ろ」


誰に言うでもなく、小さく呟く。

そして、ふっと笑った。

このときの私はまだ知らなかった。

ずっと当たり前だった「幼なじみ」という関係が。

これから少しずつ、違う形に変わっていくことを。
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