幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い

いつもと少し違う


次の日の朝。

教室に入ると、昨日の雨が嘘みたいに空が晴れていた。

窓から差し込む光が、机の上を明るく照らしている。

私は鞄を置きながら、いつものように教室の後ろへ目を向けた。

蓮はもう来ていた。

席に座って、窓の外を眺めている。

その姿を見つけると、なんとなく安心する。

昨日も一緒に帰った。

今日もきっと、一緒に帰る。

それが私たちにとっては当たり前だった。


「おはよう」


蓮がこちらに気づいて、軽く声をかける。


「おはよう」


私は笑って返した。

それだけのやり取りなのに、朝から少し嬉しくなる。

自分でも、単純だなと思う。

席について教科書を取り出していると、隣の友達が私のほうを見た。


「ねえ」

「ん?」

「結菜って、本当に蓮と仲いいよね」

「そうかな?」

「そうだよ。毎日一緒に帰ってるし」

「小さい頃からずっと一緒だから」


昨日と同じ答え。

自分にとっては、それが一番自然だった。

けれど友達は、少しだけ考えるような顔をしてから笑った。


「でも、蓮って結菜にだけ優しくない?」

「え?」


思わず蓮のほうを見る。

蓮は自分の席で、何かを探しているようだった。


「そんなことないよ」

「そう?」

「うん」


私は笑って答えた。

だって、蓮は昔から優しい。

それが自分にだけ特別だなんて、考えたこともなかった。

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