幼なじみの蓮くんが、最近なんか甘い

一時間目が終わった休み時間。

私は筆箱を開けて、シャーペンを探していた。

いつも使っているものが見つからない。

机の中を探しても、鞄の中を見てもない。


「……どこいったんだろ」


昨日まで使っていたはずなのに。

困っていると、机の横に誰かが立った。

顔を上げると蓮だった。


「これ」


差し出された手の中に、見覚えのあるシャーペンがある。


「え?」

「昨日、廊下に落ちてた」

「私の?」

「うん」


受け取って、何度も見てみる。

間違いなく私のものだった。


「ありがとう」

「別に」


蓮はそれだけ言って、自分の席へ戻っていく。

私はシャーペンを握ったまま、その背中を見つめた。

昨日の帰り道もそうだった。

雨が降れば傘を出してくれた。

私が濡れないように、ずっと傘を傾けていた。

そして今日は、落としたものまで拾ってくれている。

小さなことばかり。

でも、こういうことが昔から何度もあった。


「……やっぱり優しいよね」


思わず呟く。


「でしょ?」


隣から友達の声が返ってきて、私は慌てて振り向いた。


「聞いてたの?」

「聞こえた」

「もう……」


笑いながらごまかす。

友達はそれ以上何も言わなかった。

でも、少しだけ意味ありげな顔をしている。

私は気にしないようにしながら、手の中のシャーペンを見つめた。

蓮が拾ってくれた。

ただそれだけなのに、少し嬉しかった。

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