浅葱と萌葱の検死報告〜ラスト・ドレスを纏ったシンデレラ〜
ロキシーが泣き出し、レベッカも彼女を抱き締めて再び泣きじゃくる。シェパードは、主人が泣き出したことに戸惑ってロキシーの周りを彷徨いていた。白夜はシェパードに声をかける。

「ご主人様のそばにいてあげてください。リッキー」

首輪のネームプレートに書かれた名前を白夜を口にする。シェパードーーーリッキーは尻尾を振り、ロキシーの近くに座った。

「落ち着くまでそっとしておいてあげよに」

「……うん」

白夜の言葉に夕鈴が頷く。白夜は部屋を見回した。白い壁にピンクの装飾、花瓶に飾られた薔薇の花、天井に煌めくシャンデリアに豪華なドレッサー。幼い女の子が想像する物語のプリンセスの部屋のようだった。

しばらくして、二人が落ち着いたところで白夜が頭を下げる。

「この度は、ご愁傷様でした。心中お察し致します」

「生前のライラさんについて、聞かせてください。お二人に過去を何一つ話さなかったんですか?」

夕鈴の質問に対し、二人の女優は顔を見合わせた後に頷く。

「ライラは、出身どころか家族の話もしてくれませんでした。だから、ライラの家族構成すらわからないんです」

「唯一、ライラ自身のことで私たちが知っていることがあるとすれば、誕生日くらいです」
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