浅葱と萌葱の検死報告〜ラスト・ドレスを纏ったシンデレラ〜
この様子だと、ライラの本当の性別のことは絶対にわからないだろうなと白夜は心の中で呟く。部屋の空気は当然重くなっていた。リッキーが、一人ひとりの顔を覗くように彷徨く。

「可愛い」

我慢できず、白夜はリッキーに手の甲を差し出す。リッキーが匂いを嗅いだ。犬にとって匂いを嗅ぐのは人間いう「自己紹介」や「挨拶」にあたる大切な行動である。匂いをしばらくリッキーは嗅いだ後、尻尾を振って白夜に鼻を押し付けてきた。

「可愛い。撫でてもいいですか?」

「もちろんよ。リッキー、よかったわね」

主人に確認を取り、白夜はリッキーを撫でていく。リッキーの尻尾がさらに激しく揺れた。リッキーを撫で、口唇を軽く押し上げた白夜は言う。

「リッキーは通常のシェパードより大きいですね。それに、歯がヤスリをかけてあるのでしょうか?通常の犬より尖っています」

「よく気付きましたね」

ロキシーが驚く。しかし、その顔はすぐに寂しげなものになった。
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