ミュージック・プロジェクト! 〜デビューをかけた秘密のアイドル大作戦!〜
そして俺達は見事、再生回数1万回を達成。

「「「「やったーーっ!!!」」」」

ほんとに…やったんだ…!

凄い、嬉しい。

そんな気持ちと同時に、僕はここまでだ。

そう思った

…知ってたよ。

初めから手伝いだけだったし。

だから僕は帰らないと。

静かに扉を開けたときだった

「律くん?」

「!」

地味子ちゃんに見つかった。

「なあに」

地味子ちゃんの顔を見ず、扉の方向を見ながら答える

「何処に行くの?」

「僕の役目が終わったから帰るだけ。」

「あ、待って!」

「…なーに。」

これ以上なんの用があるってのさ。

さっさと早く帰らないと。

じゃないと…

もっとここに居たいって、思うちゃうのに─…

「律くん。もしプロジェクトの相手が見つかってなかったら…
─Palette、一緒にやらないっ?」

「…え」

僕の心を見透かしたような言葉に、思わず声が零れた

…なんで。

『僕は天才だからそーいうのは馴れ合わないの』

そういうつもりだったのに

「…いいの?」

いつの間にか、その言葉が口から零れていた

「えっ?」

「ほんとに、いいの?
なんで…?
僕…なんかが、参加…しても」

僕が参加してもいいのかな。

居場所になっていいのかな

「律くん」

1歩、1歩。

ゆっくり、地味子ちゃんが近付いてくる

そして俺の手を握り締めた。

「律くんがいい。
貴方がいいの。
…それ以外の理由じゃ、ダメかな?」

その言葉を聞いた瞬間、目の前が輝いた

色付いて、まるで

─配信活動に出会った時のように。

…っありがとう。

「…っ…仕方ないなぁ…。
入ってあげるよ!」

泣きそうになる声を抑え、彼女にそう告げる

「…!本当っ!?
ありがとう…!」

「こんな我儘なガキ、入れていいのか?」

「はぁっ!?」

「…ていうか、連れてきたの蓮でしょ。
自業自得」

「…それはそうだが…」

「僕は完全天才な律様だから!
これからアンタらの立ち位置全部奪ってくから…
─覚悟しておいてよね!」

「フッ 奪わられねーよ」

「そーそ。」

「ふふ」

小さく控えめに笑う彼女に、俺は誓った。

君が望んでくれた律で、これからもそばにいさせてね。


─紡。
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