魔法より、君に恋をする。
訓練後。

「じゃあ明日」

 寮へ向かう分かれ道で、ノアが言った。

「苺」

「うん」

「忘れないでね」

「忘れない」

「寝坊しないで」

「しない」

「迷子にならないで」

「ならない」

「本当に?」

「セシルと行く」

「二人で食べる約束なのに!?」

 リリアが笑う。

「冗談」

「心臓に悪いなあ」

「ノアも騙されるんだ」

「君に関してはね」

「じゃあまた明日」

 何気なく言った。

 いつも使う言葉。

 ノアが一瞬だけ目を細める。

「うん」

 そして。

「また明日、リリア」

 今度は、ちゃんと笑った。
< 145 / 284 >

この作品をシェア

pagetop