魔法より、君に恋をする。
結局、二人は一位で演習場へ戻った。

「早かったな」

 先に戻っていたセシルが驚いたように二人を見る。

「リリアが標識見つけた」

「ノアが道分かった」

「珍しく綺麗な役割分担だな」

「珍しくは余計」

 リリアが言い返す。

 セシルは笑ったあと、ふと二人の手元を見た。

「……で」

「何?」

「なんで手繋いでるんだ?」

 リリアも見る。

 そういえば、戻ってくるまでずっと繋いだままだった。

「ノアが離したくないって」

「リリア!」

「言ったでしょ?」

「言ったけど!」

 ノアが珍しく慌てる。

 セシルは無言でノアを見る。

「……へえ」

「何、その顔」

「別に」

「絶対何かあるよね?」

「何も?」

 セシルは笑っている。

 ノアも笑った。

 けれど、二人とも目だけは笑っていない。

 リリアは二人を交互に見る。

「やっぱり仲悪い?」

「良いよ」

「普通だ」

「どっち?」

 答えは返ってこなかった。
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