魔法より、君に恋をする。
第十三章 白銀の王子と放課後
セシル・アルヴェインには、最近一つだけ困っていることがあった。
「セシル」
「ん?」
「今日、部活?」
「あるよ」
「何時まで?」
「いつも通りなら六時くらいかな」
「じゃあ待ってる」
困っている原因が、目の前にいた。
「……待つ?」
「うん」
昼休みの教室。
窓際の席でパンを食べながら、リリアは何でもないことのように言った。
「なんで?」
「一緒に帰ろうと思って」
セシルは危うく飲んでいた水をこぼしかけた。
「寮は同じなんだから、先に帰ってても会えるよ?」
「でも一緒に帰るのとは違うでしょ」
「……そうだね」
その通りなのが困る。
「待ってたら駄目?」
「駄目じゃない」
むしろ嬉しい。
嬉しいから困っている。
「じゃあ待ってる」
「でも二時間くらいあるよ?」
「図書館で本読んでる」
「迎えに行く」
「なんで?」
「リリア、一人で剣術場まで来られる?」
「来られる」
「この前は?」
「来られた」
「私と一緒だったよね?」
「……」
「迎えに行くね」
「はい」
リリアが大人しく頷く。
セシルは笑った。
「素直でよろしい」
「最近みんな私を迷子扱いする」
「扱いじゃなくて事実じゃない?」
「違う」
「方位針を逆さに持って迷ったってノアから聞いたけど」
「言わない約束なのに」
「ノアは約束してないんじゃない?」
「……確かに」
納得するところもリリアらしい。
セシルは笑いながらパンを一口食べた。
するとリリアがこちらを見ている。
「何?」
「セシル、今日機嫌いいね」
「そう?」
「うん」
「……まあ、悪くはないかな」
「良かった」
そう言って笑われる。
それだけで、さらに機嫌が良くなった。
単純すぎる。
最近の自分は本当にどうかしていると思う。
「セシル」
「ん?」
「今日、部活?」
「あるよ」
「何時まで?」
「いつも通りなら六時くらいかな」
「じゃあ待ってる」
困っている原因が、目の前にいた。
「……待つ?」
「うん」
昼休みの教室。
窓際の席でパンを食べながら、リリアは何でもないことのように言った。
「なんで?」
「一緒に帰ろうと思って」
セシルは危うく飲んでいた水をこぼしかけた。
「寮は同じなんだから、先に帰ってても会えるよ?」
「でも一緒に帰るのとは違うでしょ」
「……そうだね」
その通りなのが困る。
「待ってたら駄目?」
「駄目じゃない」
むしろ嬉しい。
嬉しいから困っている。
「じゃあ待ってる」
「でも二時間くらいあるよ?」
「図書館で本読んでる」
「迎えに行く」
「なんで?」
「リリア、一人で剣術場まで来られる?」
「来られる」
「この前は?」
「来られた」
「私と一緒だったよね?」
「……」
「迎えに行くね」
「はい」
リリアが大人しく頷く。
セシルは笑った。
「素直でよろしい」
「最近みんな私を迷子扱いする」
「扱いじゃなくて事実じゃない?」
「違う」
「方位針を逆さに持って迷ったってノアから聞いたけど」
「言わない約束なのに」
「ノアは約束してないんじゃない?」
「……確かに」
納得するところもリリアらしい。
セシルは笑いながらパンを一口食べた。
するとリリアがこちらを見ている。
「何?」
「セシル、今日機嫌いいね」
「そう?」
「うん」
「……まあ、悪くはないかな」
「良かった」
そう言って笑われる。
それだけで、さらに機嫌が良くなった。
単純すぎる。
最近の自分は本当にどうかしていると思う。