魔法より、君に恋をする。
放課後。
剣術場では、木剣のぶつかる乾いた音が響いていた。
「アルヴェイン、次!」
「はい!」
セシルは木剣を構える。
相手は二年生。
体格では向こうが上だったが、問題はない。
一歩踏み込む。
相手の剣を受け流し、懐へ入る。
木剣の切っ先を喉元へ止めるまで、十秒もかからなかった。
「……参った」
「ありがとうございました」
剣を下ろす。
周囲から歓声が上がった。
「やっぱり強いなあ」
「一年だよね?」
「アルヴェイン家だし」
「今日も格好いい……」
聞こえてくる声には慣れている。
入学前から似たようなことは何度もあった。
背が高い。
髪が短い。
剣が得意。
男物に近い制服を選んでいる。
それだけで「王子様みたい」と言われることも珍しくなかった。
嫌ではない。
けれど特別嬉しいわけでもなかった。
『セシル、すごく格好よかった』
なのに。
一人に言われた言葉だけは、今でも覚えている。
「……集中」
自分に言い聞かせる。
「セシル先輩!」
剣術部の女子生徒から声が飛ぶ。
「次、私とお願いします!」
「いいよ」
木剣を構える。
今は練習中だ。
剣術場では、木剣のぶつかる乾いた音が響いていた。
「アルヴェイン、次!」
「はい!」
セシルは木剣を構える。
相手は二年生。
体格では向こうが上だったが、問題はない。
一歩踏み込む。
相手の剣を受け流し、懐へ入る。
木剣の切っ先を喉元へ止めるまで、十秒もかからなかった。
「……参った」
「ありがとうございました」
剣を下ろす。
周囲から歓声が上がった。
「やっぱり強いなあ」
「一年だよね?」
「アルヴェイン家だし」
「今日も格好いい……」
聞こえてくる声には慣れている。
入学前から似たようなことは何度もあった。
背が高い。
髪が短い。
剣が得意。
男物に近い制服を選んでいる。
それだけで「王子様みたい」と言われることも珍しくなかった。
嫌ではない。
けれど特別嬉しいわけでもなかった。
『セシル、すごく格好よかった』
なのに。
一人に言われた言葉だけは、今でも覚えている。
「……集中」
自分に言い聞かせる。
「セシル先輩!」
剣術部の女子生徒から声が飛ぶ。
「次、私とお願いします!」
「いいよ」
木剣を構える。
今は練習中だ。