魔法より、君に恋をする。
 六時を少し過ぎた頃、練習が終わった。

 汗を拭き、制服へ着替える。

「アルヴェイン、この後暇?」

 同じ一年の部員に聞かれ、セシルは首を振った。

「ごめん。待たせてる人がいるから」

「……待たせてる人?」

「友達」

「へえ」

「何?」

「いや、なんか嬉しそうだから」

「そう?」

「うん」

 セシルは答えず、鞄を肩へ掛けた。

「じゃあ、また明日」

「またねー」

 剣術場を出る。

 夕方の学院は、昼間よりずっと静かだった。

 図書館へ向かう。

 約束通り、リリアを迎えに行くためだ。

 しかし図書館へ着いても、リリアはいなかった。

「……まさか」

 嫌な予感がした。

 司書へ尋ねる。

「銀髪の一年生、来ませんでした?」

「ああ、アステルさん? 五時半頃に出ましたよ」

「どこへ行くって?」

「剣術場へ行くと言っていましたけど」

 セシルは目を閉じた。

「……迎えに行くって言ったのに」
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