私ばかりが本気だと思って別れを告げたら、完璧上司の余裕が崩れました【ヒロイン視点改稿版】
――つまり、この人も私に触れたいと思うことがあるんだ。
そう理解した途端、カッと顔面が火を噴きそうなほど熱くなる。
そんなこちらを見て、雅芳の瞳が丸くなった。
「あ、ちが……っ、その、これは……」
真っ赤になったところを見られたくなくて、佳穂は涙目になりながら顔の前に両手をかざそうとする。ところがそこで雅芳の腕が伸びてきて、隠そうとするのは許さないとばかりに手首を掴まれ、身体の両脇に下ろされてしまう。
「課長……?」
驚いて顔を上げた瞬間、息を呑む。互いの吐息が触れ合うくらいの距離に彼の顔が迫っていた。ほんの一瞬、その瞳に見たことのない熱が滾っているように感じたが、確かめようとしたときにはもう唇が重なっていた。
表皮と表皮が触れただけの、ささやかなキス。
とっさに目蓋を下ろした佳穂は、そのままの体勢で固まっていた。一方の雅芳もかすかに唇を触れ合わせたままじっと動かない。
そうして何秒過ぎた頃だろう。雅芳の身体がそっと離れて、佳穂が目を開けたときにはすでに背中を向けていた。
「課長……」
そう理解した途端、カッと顔面が火を噴きそうなほど熱くなる。
そんなこちらを見て、雅芳の瞳が丸くなった。
「あ、ちが……っ、その、これは……」
真っ赤になったところを見られたくなくて、佳穂は涙目になりながら顔の前に両手をかざそうとする。ところがそこで雅芳の腕が伸びてきて、隠そうとするのは許さないとばかりに手首を掴まれ、身体の両脇に下ろされてしまう。
「課長……?」
驚いて顔を上げた瞬間、息を呑む。互いの吐息が触れ合うくらいの距離に彼の顔が迫っていた。ほんの一瞬、その瞳に見たことのない熱が滾っているように感じたが、確かめようとしたときにはもう唇が重なっていた。
表皮と表皮が触れただけの、ささやかなキス。
とっさに目蓋を下ろした佳穂は、そのままの体勢で固まっていた。一方の雅芳もかすかに唇を触れ合わせたままじっと動かない。
そうして何秒過ぎた頃だろう。雅芳の身体がそっと離れて、佳穂が目を開けたときにはすでに背中を向けていた。
「課長……」