私ばかりが本気だと思って別れを告げたら、完璧上司の余裕が崩れました【ヒロイン視点改稿版】
違和感と抱擁
雅芳と初めてキスをした翌日、佳穂は明らかに浮かれていた。
会社の始業前、誰もいない給湯室で鼻歌を口ずさみながらマグカップなどの備品を整理していると、背後から呆れたような声が飛んできた。
「朝からずいぶんご機嫌だな」
びくっと肩を揺らして振り返ると、入り口に同期の松永が立っていた。
「ご、ご機嫌って?」
新人の頃に同じ部署に配属された彼とは、仕事についての愚痴を言い合ったり相談し合ったりする仲で、気心が知れている。
とはいえ、鼻歌を聞かれていたとしたら普通に恥ずかしい。
聞かれていないといいなあと一縷の望みをかけて尋ねてみたが、そんな期待は即座に玉砕した。
「いや。めずらしく鼻歌なんか歌ってるから。なんかいいことあった?」
「……別に。ただなんとなく歌ってただけだよ」
誤魔化しながら、佳穂は棚の奥へマグカップを押し込む。
会社の始業前、誰もいない給湯室で鼻歌を口ずさみながらマグカップなどの備品を整理していると、背後から呆れたような声が飛んできた。
「朝からずいぶんご機嫌だな」
びくっと肩を揺らして振り返ると、入り口に同期の松永が立っていた。
「ご、ご機嫌って?」
新人の頃に同じ部署に配属された彼とは、仕事についての愚痴を言い合ったり相談し合ったりする仲で、気心が知れている。
とはいえ、鼻歌を聞かれていたとしたら普通に恥ずかしい。
聞かれていないといいなあと一縷の望みをかけて尋ねてみたが、そんな期待は即座に玉砕した。
「いや。めずらしく鼻歌なんか歌ってるから。なんかいいことあった?」
「……別に。ただなんとなく歌ってただけだよ」
誤魔化しながら、佳穂は棚の奥へマグカップを押し込む。