私ばかりが本気だと思って別れを告げたら、完璧上司の余裕が崩れました【ヒロイン視点改稿版】
「そういうときどうすんの? 言い返す?」
「さすがにそれはできないよ。八代課長と一緒のことが多いから、だいたい課長がやんわり話を遮ってくれるけど」
「へえ。さすが課長」
「うん。助かってる」
素直に頷いてから、佳穂は小さく息を吐く。
「でも、お客様相手だと大ごとにもできないでしょう? そういう力関係が分かったうえで言ってくる人っているから。それが本当にいや。顔に出さないようにするの、実は結構大変なんだから」
「……それは意外」
「なにが?」
「観月って、いやなことあっても『まあまあ』って笑って流してそうだから」
「……なんだかそれって褒めてないよね?」
ジト目で追及すると、松永は焦ったように手を振って否定する。
「いやいや褒めてるって。なにがあっても怒らない、聖母みたいな人」
「だから怒るってば」
二人で笑いながら給湯室を出る。
そのまま並んでオフィスへ戻り、自席へ向かおうとしたところで、佳穂はふと雅芳の姿を見た。
すると、彼もちょうどこちらを見ていたらしく、視線が重なりかけた瞬間、雅芳はふいと目を逸らした。
――あれ?
「さすがにそれはできないよ。八代課長と一緒のことが多いから、だいたい課長がやんわり話を遮ってくれるけど」
「へえ。さすが課長」
「うん。助かってる」
素直に頷いてから、佳穂は小さく息を吐く。
「でも、お客様相手だと大ごとにもできないでしょう? そういう力関係が分かったうえで言ってくる人っているから。それが本当にいや。顔に出さないようにするの、実は結構大変なんだから」
「……それは意外」
「なにが?」
「観月って、いやなことあっても『まあまあ』って笑って流してそうだから」
「……なんだかそれって褒めてないよね?」
ジト目で追及すると、松永は焦ったように手を振って否定する。
「いやいや褒めてるって。なにがあっても怒らない、聖母みたいな人」
「だから怒るってば」
二人で笑いながら給湯室を出る。
そのまま並んでオフィスへ戻り、自席へ向かおうとしたところで、佳穂はふと雅芳の姿を見た。
すると、彼もちょうどこちらを見ていたらしく、視線が重なりかけた瞬間、雅芳はふいと目を逸らした。
――あれ?