私ばかりが本気だと思って別れを告げたら、完璧上司の余裕が崩れました【ヒロイン視点改稿版】
だから、どうにかしてそれを確かめたくて――
「またなにか考えてるのか? 佳穂?」
ぱちり、と瞳を瞬くと、彼の麗しい相貌が目の前にあった。
「あ……え、と、課長……?」
あたりを見渡すと、いつの間にかずいぶんと歩いてきていたらしい。景色が変わって、まばらだった人影は完全になくなっている。
そこまで確認してから気づいた。
「え、今、名前……」
――初めて呼ばれたような?
しかし雅芳はなんのことか分かっていないような顔をする。
「名前?」
「今、佳穂って……」
「ああ……」
そこでようやく自身が初めて恋人を下の名前で呼んだことに気づいたらしい。
口を片手で覆ってしばし逡巡する様子を見せる。
「……名前で呼ぶのは、嫌だった?」
「まさか!」
少しおずおずとした感じで問いかけられて、佳穂は思わず力いっぱい否定する。
そうしてから、慌てて声を抑えた。
「嬉しいです……とっても……」
「そうか……」
互いにどこか面映ゆい表情で、気づけば二人は見つめ合っていた。
あたりには誰もいない。
「またなにか考えてるのか? 佳穂?」
ぱちり、と瞳を瞬くと、彼の麗しい相貌が目の前にあった。
「あ……え、と、課長……?」
あたりを見渡すと、いつの間にかずいぶんと歩いてきていたらしい。景色が変わって、まばらだった人影は完全になくなっている。
そこまで確認してから気づいた。
「え、今、名前……」
――初めて呼ばれたような?
しかし雅芳はなんのことか分かっていないような顔をする。
「名前?」
「今、佳穂って……」
「ああ……」
そこでようやく自身が初めて恋人を下の名前で呼んだことに気づいたらしい。
口を片手で覆ってしばし逡巡する様子を見せる。
「……名前で呼ぶのは、嫌だった?」
「まさか!」
少しおずおずとした感じで問いかけられて、佳穂は思わず力いっぱい否定する。
そうしてから、慌てて声を抑えた。
「嬉しいです……とっても……」
「そうか……」
互いにどこか面映ゆい表情で、気づけば二人は見つめ合っていた。
あたりには誰もいない。