私ばかりが本気だと思って別れを告げたら、完璧上司の余裕が崩れました【ヒロイン視点改稿版】
こうまで告げれば、さすがに佳穂の覚悟が伝わったのだろう。雅芳は小さく頷くと、手元のビールを引き寄せて喉を潤した。
そうしてしみじみと過去を思い返すような目をして口を開く。
「君のことは、新人教育担当として指導していたときから、気になっていたよ。最初にいいと思ったのは、君のまとう空気だ。君は控えめで、華やかなタイプではないけれど、姿勢がよくて、所作も美しい。そこだけ清涼な空気が流れているようで、純粋に好ましいと思った」
佳穂はわずかに身じろぎする。まさかそんな以前から自分のことを意識してもらえていたとは思わなかったので、胸と顔が同時に熱くなる。
「それから、ほかの人が嫌がるような雑用を率先してするところ。みんなが気づかないうちに共用部を掃除してくれていたりするだろう? そういうささやかな仕事は見過ごされがちだが、全体のパフォーマンスに影響する大事な仕事だ。それをなんでもないことのようにこなすのは誰にでもできることじゃない」
尊敬する上司でもある彼に称賛のこもった瞳で見つめられ、佳穂はたまらず顔を俯け、両手で口元を覆った。
そうしてしみじみと過去を思い返すような目をして口を開く。
「君のことは、新人教育担当として指導していたときから、気になっていたよ。最初にいいと思ったのは、君のまとう空気だ。君は控えめで、華やかなタイプではないけれど、姿勢がよくて、所作も美しい。そこだけ清涼な空気が流れているようで、純粋に好ましいと思った」
佳穂はわずかに身じろぎする。まさかそんな以前から自分のことを意識してもらえていたとは思わなかったので、胸と顔が同時に熱くなる。
「それから、ほかの人が嫌がるような雑用を率先してするところ。みんなが気づかないうちに共用部を掃除してくれていたりするだろう? そういうささやかな仕事は見過ごされがちだが、全体のパフォーマンスに影響する大事な仕事だ。それをなんでもないことのようにこなすのは誰にでもできることじゃない」
尊敬する上司でもある彼に称賛のこもった瞳で見つめられ、佳穂はたまらず顔を俯け、両手で口元を覆った。