私ばかりが本気だと思って別れを告げたら、完璧上司の余裕が崩れました【ヒロイン視点改稿版】
そんなひと言から。
その申し出に佳穂は了承したものの、その日は夜も遅かったから二人ともすぐ帰ることにして、事態が動いたのは昨夜のこと。
『とりあえず、まずは一度どこか食事に行こう。なにが食べたい? 行きたい店はある?』
突然かかってきた電話でそんなふうに尋ねられた。
恋人になったという実感がまだ薄かった佳穂は、上司と部下がカジュアルに食事するのに無難な店を選んで答えた。
すると、『遠慮しているのか?』と柔らかい苦笑が返ってきた。
『一応は初デートなんだから、きちんとしたところがいいだろう。店を選べないなら、食べたいものだけでも教えてくれ』
『じゃあ……イタリアンを』
『分かった。店は僕のほうで予約しておく』
そうして連れてこられたのがこの店だった。
日常で使うには少し格式が高い、特別な記念日にこそ相応しい場所に見える。壁は一面のガラス張り。店内は適度に薄暗く、高層階から望む夜景を楽しめるように計算されているようだ。
その申し出に佳穂は了承したものの、その日は夜も遅かったから二人ともすぐ帰ることにして、事態が動いたのは昨夜のこと。
『とりあえず、まずは一度どこか食事に行こう。なにが食べたい? 行きたい店はある?』
突然かかってきた電話でそんなふうに尋ねられた。
恋人になったという実感がまだ薄かった佳穂は、上司と部下がカジュアルに食事するのに無難な店を選んで答えた。
すると、『遠慮しているのか?』と柔らかい苦笑が返ってきた。
『一応は初デートなんだから、きちんとしたところがいいだろう。店を選べないなら、食べたいものだけでも教えてくれ』
『じゃあ……イタリアンを』
『分かった。店は僕のほうで予約しておく』
そうして連れてこられたのがこの店だった。
日常で使うには少し格式が高い、特別な記念日にこそ相応しい場所に見える。壁は一面のガラス張り。店内は適度に薄暗く、高層階から望む夜景を楽しめるように計算されているようだ。