私ばかりが本気だと思って別れを告げたら、完璧上司の余裕が崩れました【ヒロイン視点改稿版】
まるで夜空の中に二人きりで取り残されたかのようなロマンチックな雰囲気は、互いの距離をぐっと縮めてしまいそうな親密さを帯びていて、佳穂の胸をやたらとドギマギさせる。
そんな店の窓際一等席に二人は座って、コース料理を順番にいただいているところだ。
もの思いに沈んでいた佳穂は、控えめに笑う声が向かいから届いて、ハッと我に返る。
「そんなにじっと見つめられたんじゃ、食べにくいな」
「あ……っ、も、申し訳、ありません……少し考えごとをしてしまって」
「考えごと?」
「素敵なお店の、とびきりいい席なので、前日によく予約がとれたなあ……なんて」
素直に口にしてしまってから佳穂は焦る。エスコートの舞台裏を覗こうとするような質問は印象がよくなかったかもしれない。
しかし、雅芳は特に気にした様子もなく「ああ」と頷いた。
「この店にはツテがあってね。せっかく君との初デートだから、少し融通を利かせてもらった」
「あ……そうなんですね」
もっと言うべきことがあるだろうに、雅芳の口から出てきた〝初デート〟というワードに動揺して素っ気ない反応になってしまう。
そんな店の窓際一等席に二人は座って、コース料理を順番にいただいているところだ。
もの思いに沈んでいた佳穂は、控えめに笑う声が向かいから届いて、ハッと我に返る。
「そんなにじっと見つめられたんじゃ、食べにくいな」
「あ……っ、も、申し訳、ありません……少し考えごとをしてしまって」
「考えごと?」
「素敵なお店の、とびきりいい席なので、前日によく予約がとれたなあ……なんて」
素直に口にしてしまってから佳穂は焦る。エスコートの舞台裏を覗こうとするような質問は印象がよくなかったかもしれない。
しかし、雅芳は特に気にした様子もなく「ああ」と頷いた。
「この店にはツテがあってね。せっかく君との初デートだから、少し融通を利かせてもらった」
「あ……そうなんですね」
もっと言うべきことがあるだろうに、雅芳の口から出てきた〝初デート〟というワードに動揺して素っ気ない反応になってしまう。