敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。
「こう、女とみると見境がなく、夜な夜な、様々な女性の部屋を訪れることに精を出しているという」
「そんな動物みたいなことあるかな!? それが真実だとしたら、うちの国は人口増大に苦しんでいると思うよ!」
「ミゲル殿下を見て、私は確信しました……」
「あいつはなんてことをしたんだ!!!!」
「それで、アイリス姉さまが怖くて震えていたので、腰巾着の私が立ち上がったのです」
「……それは」
マイクは、目をさまよわせ、言いにくそうにしながらも、最終的に尋ねてきた。
「それは、アイリス殿下が、君を身代わりにした、ということでは……?」
「ありていに言えば、そうですが」
「ありていじゃなく言えば?」
「騎士様みたいでしょう」
「え?」
「ですから。騎士様みたいでしょう?」
「ええ?」
「……」
「ああ、うん。すごくこう……可愛い騎士様だね……」
「そうでしょう」
ふふーんと胸を張ると、マイケルは顔を赤くして私の張った胸を凝視している。
うん、野獣の国の人なので、仕方のないことなのだろう。