敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。


「君のそういう姿は初めて見た」
「そうですか? メルヒーの前ではこんな感じですが」
「あいつは後で暗殺しておく」
「まあ。マイクは冗談がお好きですのね」
「君は、アイリス殿下が大好きなんだね」
「え?」
「え?」

 目を丸くする私に、マイケルも目を丸くしている。
 紫色の私の瞳と、マイケルの淡い水色の瞳がかちあう。

「君は、アイリス殿下を守ることができて嬉しいんだろう?」
「はい」
「彼女が、君を犠牲にしたとしても、ためらわないし、気にしない」
「はい」
「それは、好きだということなのでは?」
「好き、がわかりません」

 私は戸惑っていたが、マイケルも同じように戸惑っているようだった。

 好きとは一体、なんだろう。

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