敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。


 その日、私は大変満足して、いい睡眠をとることができた。
 好きな人に、好きと伝える。
 なんと素晴らしいことなのだろう。

 朝起きて、顔を洗って、身支度をして、体を軽く動かして午前中の授業に向けて準備をしていたところ、侍女の一人が私に戸惑った様子で声をかけてきた。

「ヴィオレッタ様。電報です」

 どうやら、アイリス姉さまから返事が来たらしい。
 私が嫁ぐまで敵対していたヴィンセント王国からの電報だ。
 検閲はされていて、どうやら侍女も内容を知っているらしい。

 ドキドキしながら私はその電報を受け取る。

『イマスグイク』

 いますぐいく。

 います、ぐいく?

 いますぐ、イク?

「え?」

 まさかね。
 何かの思い違いだろうと、私は首をかしげながら、その日の王子妃教育の授業を受けに部屋を出た。


 その半月後。
 アイリス姉さまが私の前に現れた。


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