敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。

第4章 やってきた王女様



 それは、昼下がりのティータイムの時間にやってきた。

 私がこの国に来てからもう少しで一ヶ月が経とうとしていた日のことだ。
 その日、私は午前中、王子妃教育に精を出していた。
 この頃には、数学や物理といった理系科目は及第点とのことで、普段から使い慣れる必要のある国語や外国語、また、マイケルや二人の王妃による国の情勢に関する情報把握が主な内容となっていた。

 ちなみに、私の教育内容については、教師達の中でかなり意見が割れてもめにもめたらしい。
 なにしろ、理系の教師達がこぞって、私を王子妃という名前の研究者にするべきだと主張したのだ。
 敵国の王女ということで、政治的な部分に関与させたくないということなのだろうか。
 授業は真面目に受けていたし、教師の皆さんには授業の間は基本的に褒めてもらっていたので、仲良くなれていたと思っていたけれども、派閥というのは人の間に溝を作るものなのだろう。悲しいことだが、まあしかたがない。

 そんなこんなで、午後は二人の王妃様と共にティータイムを過ごしながら、マナーレッスンの最終確認や、世情に関する会話に慣れる――という名目で、きゃっきゃうふふと女子会を開いていた。
 基本的に、私がお二人の話をニコニコ聞いて、お二人が色々なことを教えてくださる、という素晴らしい会だ。
 第一王妃ナサリエはアイリス姉さまと同じ金髪碧眼の弓張月だし、第二王妃ニコラはダークブロンドの髪に紺色の瞳が知的な弓張月で、美しく高貴な月を両脇に携えた今日の私は最強なのである。

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