敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。



   ~✿~✿~✿~

「ヴィオレッタは、私の妻として迎えることにしようと思います。父上、母上方、構いませんよね」

 あれは確か、夜ご飯を終えた後の一家の団欒の場での出来ごとだった。
 部屋に引きこもっているミゲル以外の家族が全員そろっている中、マイケルが私を婚約者に据えると申し出たのである。

 マイケルの宣言を聞いて、国王と二人の王妃は笑顔で頷き、私の横に居るメルヒオールは興味深そうな顔で目を瞬き、私は(あら、結局本当にそうなるの?)と首をかしげ、ソファにしどけなく座っていた彼の末弟二人――十三歳のモーリス第四王子と十一歳のマクシム第五王子は飛び上がった。

「「反対反対反対!!!!」」
「えっ?」
「えーとえーと、マイケル兄上は国王になるお方です! 他国の王女をめとるのは、あまりにも危険です!」
「彼女に失礼だろう、モーリス」
「いえいえいえいえ僕もそう思います、マイケル兄上! ですからご安心ください。第五王子たる僕、マクシムが彼女と結婚します」
「はぁ!?」
「マクシム、何を言う! ヴィヴィちゃんと結婚するのは、第四王子たる俺、モーリスだ!」
「ヴィヴィちゃん!!?」
「大丈夫です! マイケル兄上より僕達のほうがずっとヴィヴィちゃんと仲良しですから、安心してください」
「な、な、な、な」
「大体、マイケル兄上は元々、王子の誰かと結婚すればいいって言っていたじゃないですか」
「マイケル兄上との婚姻が両国間に必須なら、最初からそう組んでいたでしょうしね」
「別に俺達がヴィヴィちゃんと結婚しても構わないですよね」
「まさかマイケル兄上、ヴィヴィちゃんのことを好きになっちゃったんですか?」

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