敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。
チラリとマイケルを見ると、マイケルは青を通り越して白い顔をしてこちらを見ている。
今のままマイケルと結婚したら、ただの契約結婚になってしまうのだ。
それではアイリス姉様に与えられた使命を果たせないような気がする。
揺さぶりが足りない。
マイケルと契約結婚のために婚約するのだとしたら、もう少し時間をかけて、その心をすこぶるなぶり落としてからにしたい。
それを言おうとしたところで、バァーーン!!!!という大音量を立てて、王家の居間の扉が開いた。
使用人がやったとしたら、割と結構なお叱りを受けてしまう行為だと思う。
そう思って、恐る恐る扉の方を見ると、そこに立っているのは、王族の一人だった。
ダークブロンドの髪に若草色の瞳、勝気な雰囲気のある端正な顔立ちをした二十歳の若者。
この場に居なかった王族、第二王子ミゲルである。
「反対です!!」
なんのことだ。
いや、なんとなく予想はつくが、普通に会話に入り込んでいる君はどこから我々の話を聞いていたのだ?