敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。
「ヴィオレッタ様宛てに、お客様がいらっしゃっています」
「お客様?」
「ヴィヴィちゃん宛てに?」
「まだたいていの貴族には紹介していないのに?」
「それが……その、ヴィオレッタ様の故国から来たとの話でして……ヴィンセント王国の使者が、こちらを……」
侍従の差し出してきた手紙を受け取ったのは、第一王妃ナサリエである。
手紙の中身を見てギョッとした彼女は、手紙をそのまま第二王妃ニコラに渡し、二コラも同じくギョッとして手紙を私に手渡した。
言葉もない王妃達と、冷や汗をだらだらかいている侍従を横目に、私はとりあえず、手元にある手紙に目を落とす。
手紙の封筒には、ヴィンセント王国の王族だけが持つ封蝋印が押され、中の手紙にも、王族印が押されていた。
間違いなく、これはヴィンセント王国の王族が出した手紙である。
「え?」
そこには、アイリス姉さまの字で、こう書かれていた。