敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。
『親愛なる我が妹 ヴィオレッタ へ
マグネリア王国 王都に所在する 王国ホテル最上階にて待つ。
あなたの姉 アイリス=フォン=ヴィンセント』
「……え?」
何度か目を瞬いたけれども、その文字は消えることはなかった。
とりあえず、二人の王妃に目を向けると、第二王妃ニコラは第一王妃ナサリエを見て、ナサリエは困ったような顔で頷いた。
「とりあえず、夫とマイケルを呼びましょうか」
放心している私を置いて、二人の王妃はきびきびと、隣国の王女を出迎えるための準備を指示した。
そして、国王の指示により、私はマイケルと共に、アイリス姉さまの居ると思しき王国ホテルを訪なうことになったのである。