敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。


 私が鎧の近くに座って、そっと兜を脱がせてみると、美しい金糸が舞い、白い肌、薄い水色の瞳が煌めくアイリス姉さまが、ようやく姿を現した。

「姉さま」
「ヴィオレッタ。話はあとで聞くわ」
「姉さま、聞いてください」
「いいから、早くこの部屋から出るのよ」
「姉さまはまず鎧から出たほうがいいです」
「何を言うの! 護衛達もね、私の話を聞いてくれないのよ。なら、あなたを守るのは私しかいないでしょう!」
「姉さまは、私を守りに来てくれたんですか?」

 私が期待に満ちた顔で首をかしげると、アイリス姉さまは涙目で叫んだ。

「あんな電報見て、放っておけるわけないでしょう!!!!」

 可愛い可愛いアイリス姉さま。
 なんと姉さまは、震えちゃうくらい怖がっていたマグネリア王国の本陣に、単身乗り込んできてくれたのだ。
 私のために。
 私のために!

「あっ、ちょっと! やめなさい、ヴィヴィ!」

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