敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。
嬉しくて、つい動けないアイリス姉さまの顔をぎゅーっと抱きしめてしまう。
「埋もれちゃう! 埋もれちゃう!」と慌てているアイリス姉さまは最高に可愛い。そのつやつやほっぺに散々キスをして満足した私は、もう一度アイリス姉さまをぎゅーーーっと満足いくまで抱きしめた。
好き好き好き好き好き好き好き好き。
「……はるばる、ようこそ。……アイリス第一王女殿下?」
愛を深める私達二人に、顔を赤らめながら気まずそうに後ろから声をかけてきたのは、もちろんマイケルだ。
マグネリア王国の王太子。
アイリス姉さまの、多分仇敵。
けれども、私の愛に物理的に埋もれたアイリス姉さまは、恨みと悔しさを乗り越え、その仇敵に助けを求めた。
そして残念なことに、動けないアイリス姉さまを弄んでいた私は、姉さまから引きはがされてしまったのである。