敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。

 部屋の外に出ると、そこには邪魔者が居た。

「邪魔者とはなんだ!」

 しまった、声に出ていたらしい。

 扉の外に居たのは、皆様ご存じマイケル=ミゼル=マグネリアだ。
 なんということだろう。
 マグネリア王国の王太子殿下は、隣国からやってきた、いたいけな王女の部屋の前に陣取り、王女が部屋から出てくるのを今か今かと待っていたのだ。

「夜這い……!」
「違う!!!」
「私を待っていたんですよね」
「それはまあ、その、そんなところだ」
「部屋から出てこなかったらどうするつもりだったんですか?」
「……」
「お部屋に入ってきてしまったり」
「侍女に寝たかどうか確認させようと思っていた」
「リオナとルイーゼは夜遅いのでもう下がりましたよ」
「……」
「もしかして毎日、この時間に私の部屋の前に?」
「君はどこに行く気なんだ。ミゲルの部屋じゃないだろうな」
「アイリス姉さまの部屋です」
「そんな恰好で?」

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