敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。


 王宮使用人達は、プロなのだ。
 見てしまってはいけないものを見た時の対応を心得ている。

 ふわりと謎の微笑みを浮かべた彼らは、よけいなことを言わずに粛々と植木鉢と王太子を片付けて去っていった。

「命に別状はないようです」

 応急処置をした兵士が去り際にそう言っていたので、多分マイケルは大丈夫なのだろう。
 それにしてもちょっと可哀そうな気もするので、明日は念入りにマイケルを慰めた方がいいかもしれない。

 それはそれとして、辺りが静まり返ったのを確認した私は、ようやくアイリス姉さまの部屋に向かって出陣した。
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