敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。
「これは徹夜するための眠気覚ましです」
「なんで徹夜が決定事項!?」
「だって、アイリス姉さまは徹夜するつもりだったんでしょう?」
「!」
「襲いくる男達から身を守るために、決死の覚悟で眠気と戦っていたんですよね。私もお供します。ほら、体は休めないといけないですから、アイリス姉様も横になって。私、今夜はここに居ていいんですよね?」
ニコニコほほ笑みながら鍵をゆらゆら目の前で揺らしたところ、アイリス姉さまは震えながら横になってくれた。
アイリス姉様に嫌がらせをした第二王子には後でしっかり嫌がらせをしておくとして、事ここに至ると、意外と奴はいい仕事をしたのかもしれない。
美味しそうな顔でぶるぶる震えているアイリス姉さまの横に添い寝した私は、その腕をギュッと抱きしめる。
「楽しい夜を過ごしましょうね、アイリス姉さま」