敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。
こうして私は、アイリス姉さまと楽しい夜を過ごした。
目がギンギンに冴えた様子の姉さまは、珍しく一晩中、私とのおしゃべりに付き合ってくれたのだ。
というか、私が寝そうになると、「お願いだから頭が冷えるようなつまらない話を続けてよ!」と泣きながら懇願されたのだ。とても期待されてしまったので、私は大興奮で一晩中おしゃべりを続けた。
チュンチュンと鳥の声が聞こえ、朝日がカーテンに差し込んできたところで、私は寝台から起き上がる。
「楽しい夜でしたね、姉さま」
ふと、アイリス姉さまを振り返ると、なぜな姉さまは枯れ木のように萎れた様子で横たわっている。
「……なんでそんなに……元気……なの……」
「私は姉さまにお付き合いするために仮眠をとりましたから」
宇宙を見た猫のような顔で固まるアイリス姉さま。
「今夜も徹夜するんですよね? 大丈夫です。妹として、誠心誠意お付き合いします!」