敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。


 私が静かに口を閉ざしていると、二人しか居ない室内に、ビリビリという縫製の糸が引きちぎれる音が鳴り響いた。
 むくむくとそのサイズを増量(アップ)させていくご令嬢。
 最終的に一糸まとわぬ姿になった彼女は、私の寝台の毛布に身を隠しながら、涙目で震えていた。
 ここに男の人が居たら、色々と大変なことになっていただろう。
 そのくらいには、このご令嬢は愛らしく美しく、魅惑のボディを持っていた。
 お胸が控えめなところも、アイリス姉さまに似ていて素晴らしいと思う。

「あっ、お洋服が……」
「……」
「全部、破れちゃった……」
「……」
「あの、服……」
「……」
「服を、貸してもらえますか」
「……」
「ねえ……」
「……」
「なにか喋りなさいよ!」
「……」
「謝るからぁ!!! お話してよぉ……!!!!」
「わかりました。服ですね。どうしようかしら」

 ご令嬢が号泣し始めたところで、私は仕方ないとばかりに重たい腰を上げた。

 服か。服を貸す……。
 サイズが合わない気もするけれど、どうすればいいのかしら。
 まずは下着を貸さねば。
 ……下着を貸す?
 そんなことってあるのかしら?

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