敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。
第3章 王太子マイケル
マイケル=ミゼル=マグネリアは、自他ともに認める完璧な王子だった。
幼い頃から彼は、空気を読むことが得意だった。
泣くことが少なく、手のかからない赤子。
挨拶に来た者すべてに笑顔を振り撒く、理想的な幼児。
それは、人を観察することが好きだという彼の本性に基づくものだった。
笑っている人、無表情な人、怒っている人、泣いている人。
色んな人の表情を見て、その人が望むものを考え、それが当たると、胸の内に爽快感と満足感が広がる。
マイケルが七歳になったある日、友人の少年二人が喧嘩を始めてしまい、それを止めようとした周りの子ども達により火種が大きくなり、王宮のマイケル用の子ども部屋が大変な騒動になったことがあった。
マイケルはそれを見て、考えた。