敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。
まず、おもちゃを落として大きな音を立てて、全員の視線を集める。その場で最も身分の高い自分が、皆の顔をぐるりと見渡しながら騒ぎの中心へと行く。
そして、最初に喧嘩を始めた少年二人を回収し、個別に話を聞いた。
何やら、玉入れ遊びの練習をしていた子爵家の令息に、玉入れが得意な伯爵家の令息がやり方を教えようと玉を奪ったことで喧嘩になったらしい。
マイケルのとりなしにより、伯爵家の令息は謝罪し、子爵家の令息は、やり方を教えようとしたその気持ちに感謝をした。あとは一緒に遊んで、仲直りである。
マイケルはただ、話を聞いただけだ。
けれども、このことはマイケルの中の成功体験として、生き方の根幹に深く残った。
なにしろ、周囲の大人達はマイケルの対応を褒めちぎったし、喧嘩していた二人も、「マイケル殿下が言うなら……」と話を聞いてくれて、他の子ども達も感謝の目を向けてくる。
めっちゃくちゃ気持ちよかったのである。