敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。
(他に揉めごとはないだろうか……っ)
こうして、揉めごとを解決する、みんなのことを思って動く第一王子が誕生した。
諍いや派閥争いはどこにでも存在する。
そして、争いごとの当事者は、権力者であるマイケルに、告げ口をするように相手への不満をぶつけてくる。
両者の意見を聞いて、状況を俯瞰できるのだから、解決は簡単だ。
解決の後押しをして、そして、なんでもないような顔をして笑っていればいい。
それだけで、周囲の評価は鰻登り。
完璧な王太子の出来上がりである。
その心の中は、褒められたい、解決したい、面倒くさく絡んでいるものを解きほぐしたい、気持ちよくなりたいという煩悩と下心で満ち満ちているのだが、多分隠し通せているはずだとマイケルは自負していた。
その完璧さにヒビを入れたのが、自身の恋愛ごとだった。