敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。
「私では、マイケル殿下につり合いません」
「そんなことは」
「私自身に興味がないでしょう? 私も、あなたがよくわかりません。表面しか見せてくださらないから」
そう言われると、返す言葉がない。
そのとおりだ。
マイケルは、満ち足りた貴族の令嬢単体には、興味がないのだ。
その中身は、みんなの輪を管理したいという支配欲と煩悩で塗れていて、分厚い面の皮でそれを隠し、金箔で光り輝く表面だけを皆に見せているのだ。
表面しか見せない。
本当にそのとおりである。
こうして、自分への理解を深めていくマイケル。
こんな自分を知りたくなかったと身悶えしながら、彼は二人目の――令嬢に会うことにする。