敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。
マイケルは血の気が引いたまま、なんだかその場から動く気になれなくて、誰も居ない廊下で窓側の壁に寄りかかった。
そして、ただ床を見ながら、三十秒ほどその場で考えに耽る。
確かにその、マイケルは彼女に執着はしていなかった。
何かの会合があればそれを優先したし、彼女と数日会わなくても、何も気に留めなかった。
だけどその、そんなことで?
「殿下」
ビクッと体を震わせて顔を上げると、そこには彼女が居た。