敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。
微笑んでいる。
責めるわけでも、縋るわけでもなく、ただ微笑んでいる。
何故、このタイミングで話しかけてこられたのだろう。
浮気男と話が終わったばかりの、このタイミングで。
……ずっと、様子を伺っていたから?
「放課後ですよ。一緒に帰りましょう」
背筋が凍るようで、マイケルはその日、彼女と別れることを決めた。
彼女は涙をこぼしながら、まっすぐにマイケルを見ていた。
「私より、みんなといるほうが楽しいですか?」
マイケルは答えられなかった。
そんな残酷なことはできなかったから。