敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。
弟を唖然とさせたマイケルは、勝手に私の左隣の席に座ってきて、侍女にお茶を用意させた。
そして、その紅茶を優雅な仕草で飲み始めた。
いや、優雅ではない。
手が震えている。
顔もひきつっている。
「マイケル殿下」
「ゲッホゲホゲホゲホ」
「兄さん!?」
「いや、問題ない。一体なんだヴィオレッタ、私に! 私に、何か用があるんだろうか」
「兄さん、ヴィヴィのこと、呼び捨てするようになったんだね」
「ヴィヴィ!? ヴィヴィってなんだ、お前達はそういう関係なのか!?」
「メルヒーとは友達ですよ」
友達。
実は、メルヒオールは私の初めての人間の友達である。