敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。


 彼には昨日、アイリス姉さまの秘伝の『この世界を作ってきた歴史ある技術』を貸し出したのだ。
 その代わり、私は彼から、メルヒオール秘伝の『初めて城を攻めるときの円滑な攻略法』を借りた。メルヒオールがやってくるまでの時間に読んでいた本は、その借りた本である。これは、アイリス姉さまを攻め落とすときに使えそうな、素晴らしい技術本だ。

 これほどの秘伝の本のやり取りをできるほど、私達は仲良しなのである。

 基本的に私は故国にてアイリス姉さまの腰巾着に忙しく、人間ボッチだった。なので、初めてできたお友達に、自慢したい気持ちと、嬉しい気持ちがあふれて、つい「初めてのお友達です」と頬を緩めてしまう。
 すると、なんだかメルヒオールは照れたような顔をして、その後、私の左隣を見て青ざめた。
 不思議に思って左隣を見ると、そこにはキラキラの笑顔を浮かべたマイケルが居るだけだ。
 一体、メルヒオールは何を見たのだろう。

 私が首をかしげたところで、マイケルが咳払いをした。

「初めてのお友達。それ以上の感情はないのですか?」
「……?」

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