敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。


 王太子マイケルは、とうとう私と口をきいてくれなくなった。

 噂によると、彼は終始ぼーっとしていたり、急に悲鳴のような声を上げて真っ赤になっていたりと、大変なことになっているらしい。
 ご両親である国王夫妻が休暇を取らせて、今の彼は久しぶりの長期休暇中なのだとか。

「ヴィヴィ、やりすぎだよ。マイケル兄さんが兄さんじゃなくなってる」
「私のせいとは限らないわ?」
「あれだけ兄さんをもてあそんでおいて、よく言うね」

 私の案内役代理に就任したのは、もちろん第三王子メルヒオールである。
 第二王子のミゲルも候補に挙がったけれども、丁重に辞退されてしまったのだ。

 マグネリア国王と王妃二人は、様子のおかしい第一王子と、かたくなに私と接触したがらない第二王子に思うところがあるのか、私を見て複雑な表情を浮かべていた。

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