敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。
「どうした? ミゲルに何かあったのか?」
そう言いながら、ぎこちない手つきで黒猫の頭を撫でてみる。
すると黒猫はゴロゴロと喉を鳴らしながら、気持ちよさそうに目を細めた。
なんだか心が温かくなったような、なぐさめられたような気持になって、マイケルは黒猫の色々な角度で撫でてみる。
黒猫は困ったような雰囲気で、マイケルの手を甘噛みしたり、猫パンチを繰り出しながらも、撫でられて心地よかったのか、最終的にはころんとひっくり返っておなかを見せてくれた。
「お前は可愛いやつだったんだな。ミゲルがお前を飼っている理由がわかった気がする」
「にゃ?」
「お前の様子もおかしいけど……一番おかしいのは、僕みたいだ」
マイケルが力なく笑うと、黒猫はなぐさめるようにマイケルの指をなめてきた。
猫の舌はざらざらしていて、なんなら少し痛いくらいだったけれども、意外と悪くないとマイケルは思う。