敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。


「そうだ。僕は君が知りたい」
「……」
「王太子命令でもいい。この場で人間に戻れよ、ヴィオレッタ」

 お前が煽ったんだから、しっかりその責任をとらせてやる。

 そう耳元で囁くマイケルに、ヴィオレッタは戸惑ったように身じろぎした後、悲しそうにぺたりと耳を伏せた。

「ごめんなさい」
「……ん?」
「マイク、あの。私、嘘をつきました」
「嘘?」
「変身したわけじゃなくて、この子に体を借りてるだけなんです。マイクが押し倒しているのは、本物の猫です」
「……」

 シーンと静まり返った室内に居るのは、やはりマイケルと猫だけである。

 じわじわと顔を赤らめて、最終的に真っ赤になってしまったマイケルに、ヴィオレッタは目をさまよわせる。

「……ごめんなさい、にゃん?」

 きゅるんとウィンクをして、肉球を見せてくれた黒猫ヴィオレッタは、とてつもなく可愛かった。
 マイケルは、その隣で、しくしくと突っ伏して泣き始めた。


   ~✿~✿~✿~

 一方、ヴィオレッタの体のほうも、それはそれで問題を起こしていた。
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