敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。
「そうだ。僕は君が知りたい」
「……」
「王太子命令でもいい。この場で人間に戻れよ、ヴィオレッタ」
お前が煽ったんだから、しっかりその責任をとらせてやる。
そう耳元で囁くマイケルに、ヴィオレッタは戸惑ったように身じろぎした後、悲しそうにぺたりと耳を伏せた。
「ごめんなさい」
「……ん?」
「マイク、あの。私、嘘をつきました」
「嘘?」
「変身したわけじゃなくて、この子に体を借りてるだけなんです。マイクが押し倒しているのは、本物の猫です」
「……」
シーンと静まり返った室内に居るのは、やはりマイケルと猫だけである。
じわじわと顔を赤らめて、最終的に真っ赤になってしまったマイケルに、ヴィオレッタは目をさまよわせる。
「……ごめんなさい、にゃん?」
きゅるんとウィンクをして、肉球を見せてくれた黒猫ヴィオレッタは、とてつもなく可愛かった。
マイケルは、その隣で、しくしくと突っ伏して泣き始めた。
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一方、ヴィオレッタの体のほうも、それはそれで問題を起こしていた。