敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。
確認するだけだ。
声をかけて、フローラが居なければそれでよし。
フローラが居れば、ミゲルの声に返事をするはずだ。あの子はミゲルのことが大好きなのだから。
(決して、そのような目的ではない!)
「……ヴィオレッタ様。朝早くにすみません」
思い切ってノックをし、声をかけると、部屋の中からトン、パタパタパタという足音らしき物音がした。
早朝とはいえ、彼女は既に目を覚ましているようだ。
ホッしたのもつかのま、部屋の中から返事がないので、ミゲルは首をかしげる。
「ヴィオレッタ様?」
「にゃ!」
「……!? え、ええと、中にいらっしゃるのですか?」
「にゃん!」
「……! わ、私の猫を知っていて、そういう言い方をするんですね!?」
「にゃ?」
「からかっているんですか!? な、中に入りますよ、いいですね!?」
「にゃん!」
「……!!!」