敵国から嫁いできた悪役王女……のつもりだったのですが、めちゃくちゃ大事にされている上に、契約結婚になるようです。

 その日から、マイケルは公務に復帰した。

 「落ち込んでる場合じゃない」「ライバルがこんな身近に……」と眉を吊り上げて黒い顔をしていたのは気になるけれども、何か奮起するきっかけになることがあったらしい。
 よくわからないが、私もマイケルと会話ができるようになったのでよしとしよう。

 一方で、その日からミゲルは私に話しかけてこなくなった。
 おそらく、やりすぎてしまったのだ。
 私の体に入った愛猫フローラちゃんに襲い掛かっているところをからかった言葉が、刺さりすぎたのだろう。
 アイリス姉さまやマイケルと反応が似ているし、間違いない。
 一週間ぐらいで、口を利いてくれるようになるだろうか。

 とにかく、周囲のみんなをメロメロにしなくてはならない私としては由々しき事態だ。
 ただ、「ミゲル殿下のところにも忍んでいこうかしら」とぽろりとこぼしたところ、マイケルに全力で止められてしまったのだ。

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