私の運命の人
新年の慌ただしさや高校の試験が落ち着いた頃、広香や坂井くんたちにも電話で婚約を伝えた。
とにかくみんな『三十路先生と!?』と盛大に驚く。

『ちょっと待って、優里の運命の人ってやっぱり三十路先生だったの? 二十歳違いのおじさんじゃなかったっけ?』
「ああ、それ勘違いだったの。あはは!」
『あははって、ちょっと』

納得いかない様子の広香と同じように、坂井くんもぼやいていた。

『なんだよ。俺、変な相手なら奪ってやろうって思ってたのに、三十路先生!? 斜め上行き過ぎだわ。戦い方もわからん。もうお手上げ』

そう言って最後には『幸せになれよ!』と妙にかっこよく締めていた。

三月の末、私といっくんは婚姻届を提出する。
ちょうど年度の始まりということもあって、新学期と共に生徒たちに新しい名字を伝えた。

「みし、じゃない、みそ、何だっけ? ああ、もう、優里先生!」

そうやって下の名前で呼ばれることになり、三十路と呼ばれることを覚悟していた私は拍子抜けする。
さらにはさすがは女子、目ざとく何かを察したらしく卒業アルバムを引っ張り出してきた。

「あっ! 三十木って名前の先生がいる。しかも優里先生が一緒に写ってる!」
「え、どれ? ほんとだ! 生徒会の担当教諭だったんだ。やーん、胸キュン」

あっという間にほかのクラスの生徒や先生方にも伝わり、私は散々冷やかされた。
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