運命? いいえ、私が恋を狩る
◆

 リーヨウの家で、ランリンはチャンシーに言った。
「リーヨウの手がかりがつかめました。これから、禁軍の知り合いに伝えますわ」

「それなら急いだほうがいいねえ。私も行くよ」

 ランリンたちが夜道を歩いていると、向こうから、酔っぱらった男がふらふらと近づいてきた。
「おやおや……こんな夜に、若い娘がふたりでお散歩かい?」
 男がにやつきながら、ランリンへ手を伸ばす。
 その瞬間――

「触るんじゃないよ!」
 チャンシーがランリンの前へ出た。袖から取り出した包丁を、男の目の前へ突きつけている。

「ひっ……! お、おれは別に……!」

「そうかい。じゃあ、さっさとお帰り」

 チャンシーが一歩踏み出すと、男は青ざめて逃げていった。

 ランリンは、ぽかんとしていた。
「お義母《かあ》さま……強い……!」

「夜道には獣がいるからねえ」
 チャンシーは何事もなかったように包丁をしまった。
「リーヨウがいなくても、あたしがいるから大丈夫よ」

 ランリンは、しみじみとうなずいた。
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