愛なんて要らないはずでした~逃げるために嫁いだのに、心まで奪われています~
「うん? あぁ。そうだねキーラ。可愛いキーラ。エプロン姿も可愛かったが、また私の瞳と同じ赤いドレスを着てくれないか」
「嫌ですわ、お父様。その色のドレスはお義母様にこそ相応しいわ、ね? お義母様」
「あ……、え、えぇ。そう、かもしれませんわね」
突然私から話を振られたせいで一瞬継母の頬がひきつるが、すぐに穏やかな笑みを浮かべ頷いてくれる。だが、その瞬間だった。
ガチャン! と鋭い音が響き、突然父が立ち上がったのだ。
「リアナッ! リアナリアナ! 私の色を着ていいのは最愛の妻だけだッ」
「ちょ、お、落ち着いてください、お父様っ!」
「だから君が着るんだ、〝キーラ〟。ね? わかっているだろう?」
「……ぁ……」
静まり返るその部屋で、荒くなった父の息使いだけが響く。
着ない、と、私は母ではないと言わなければならなかったのに、喉がカラカラに張り付き言葉は何も出なかった。
──ダメだったのだ、父に新しい誰かと新しい関係を築いて貰うなんて、最初からできなかったのだ。
そう気付いた瞬間、私の視界は真っ暗になった。
「嫌ですわ、お父様。その色のドレスはお義母様にこそ相応しいわ、ね? お義母様」
「あ……、え、えぇ。そう、かもしれませんわね」
突然私から話を振られたせいで一瞬継母の頬がひきつるが、すぐに穏やかな笑みを浮かべ頷いてくれる。だが、その瞬間だった。
ガチャン! と鋭い音が響き、突然父が立ち上がったのだ。
「リアナッ! リアナリアナ! 私の色を着ていいのは最愛の妻だけだッ」
「ちょ、お、落ち着いてください、お父様っ!」
「だから君が着るんだ、〝キーラ〟。ね? わかっているだろう?」
「……ぁ……」
静まり返るその部屋で、荒くなった父の息使いだけが響く。
着ない、と、私は母ではないと言わなければならなかったのに、喉がカラカラに張り付き言葉は何も出なかった。
──ダメだったのだ、父に新しい誰かと新しい関係を築いて貰うなんて、最初からできなかったのだ。
そう気付いた瞬間、私の視界は真っ暗になった。