愛なんて要らないはずでした~逃げるために嫁いだのに、心まで奪われています~
 父が笑いながら出ていったダイニングルームに取り残された私たち三人。何を言えばいいかわからず、ただ立ち尽くしている私に対し、「気持ち悪い」と確かにそんな言葉が投げられた。
 口にしたのは、継母だったのか、義妹だったのかは今でもわからない。

(私も、そう思うわよ……)
 
 最初の晩餐は散々だったが、それでも彼女は私にも親切にしようとしてくれる善良な継母だった。だが、父が彼女ではなく私を前妻と重ねる様子に嫌悪感を持つのもあっという間だった。

 一度そうなってしまってはもう遅く、そして私も、結局は父が望んでいるのは実母だけなのだと気付いてからは継母との間を取り持つように動くことはなくなった。だが、このままではいられない。

 私にとって父は、父以上でも以下でもないのだ。

 作戦を変えることにした私は、継母たちが抱いた嫌悪感を増長させるように振る舞い、あえて彼女たちの前で父に侍るようにしなだれかかっていろいろなわがままを口にした。決して父とふたりきりにならないようにという抜かりなく立ち回り、そして必ず継母の前でそのように振る舞った。
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